【幼児英語教材選びのお悩みについて】仙台在住Sさん

みなさん こんにちは!kaoriです。みなさんいかがお過ごしですか?

 

さて、これまで私のブログでもメールマガジンでも、

幼児向け英語教材の選び方についての記事を何度か書いてまいりました。

 

そのテーマにまつわるご質問は頻繁にいただきます。

以前に  Sさんと交わしたメールのやり取りが

このブログを読むみなさまにも役にたつと思い、

Sさんに了承を得ましたので

こちらのブログでも紹介させて頂きますね。

 


初めまして。仙台在住のSと申します。

最近kaoriさまのサイトとメルマガを知り、とても興味深く

購読させていただいております。

 

本日のメルマガを拝読し、現在3歳半の娘の英語教材選びに関して

ご相談させていただければと思いメールさせていただきました。

 

現在、娘は教室へは通わせてはおらず、英語はもっぱら絵本と

歌を通して親しむ程度となっております。

 

私自身、帰国子女ではありませんが、海外での勤務や

国内での外資系での勤務経験もあるので、多少の英語での

語り掛けや絵本朗読程度なら娘にできるのですが、幼児に

教えるという経験は無いため何をすればよいかわからないということと、

今後もっと体系的に学んで行ってほしいため、教材購入を検討しています。

検討している教材は以下の2点です。

 

1. Palkidsプリスクーラー

娘の年齢の子供の日常フレーズが学べるのではないかと期待していますが

個人的にフラッシュカードが好きではないのと、映像教材(歌など)の

クオリティを見て躊躇しています。

 

2. CTP絵本のセット購入(レベル1 48冊セットや96冊セットなど)

試しに4冊1セットのみ購入したことがあり、音楽に乗って

繰り返しを促すのでテキストに載っているフレーズは覚えられそうな気はしたのですが、

果たして会話に結びつけるにはどうすればよいのだろうかと疑問に思っています。

ちなみに、現在我が家にまとまった教材として既に購入しているのは

ORTトランクパックAです。

 

絵本好きな娘に時々読んだり、CDをかけ流したりしているので、

その絵本に出てくる内容や単語は理解していますが、出てくる文型で

会話や発話ができるまでには至っていません。

 

その他、しまじろう英語、ワールドワイドキッズ、ディズニーなどの

資料請求をしたことはありますが、内容や費用などの面で検討には

至っておりません。

 

日本語オンリーの環境で、上記のような教材を使ってどこまでの

アウトプットを目標とすべきかが自分ではよく分からず、

教材の販売サイトを時々閲覧しては迷っている、という状態です。

 

お忙しいとは存じますが、kaori様からアドバイスをいただければ幸いです。

S


ご質問に対する返答

初めまして。グローバルキッズ養成塾のkaoriです。

この度はメールマガジンの返信を頂き、誠にありがとうございました。

 

まずはSさんのメール全体を読ませていただいて

率直に感じたことを最初にお伝えします。

 

3歳半のお子さんのご年齢で

Sさんが現在行っている英語環境づくり、
意識が非常に高く、努力されていて素晴らしいな!と感じました。

 

「英語に触れる、英語に親しむ、英語で楽しむ」といった目標を

十二分に達成していらっしゃると思います。

 

お子さんの年齢からして、

今英語環境を作るために最も重要視するのは、

お子さんが英語に触れている時に楽しんでいるかどうか、

笑顔が見られるかどうか、嫌がっていないかどうか

このような点ですね。

 

教材や英語自体を嫌がるようになってしまうと、

英語に対しての拒絶反応が出たり、

その先、別のアプローチを探るのに苦労する可能性があります。

 

さらに娘さんは絵本が好きとのこと。

 

これは英語育児をする上でとっても重要ですし、

絵本好きは今後も有利になりますね。

 

Sさんが今の段階でやっておくと良いことは何か?といえば、

お子さんの英語はどのレベルを目指すのか、

ターゲットをある程度 決めておくことですね。

 

そうすることで、今何をすべきか、

どんな教材がいいか、などが見定められます。

 

英語レベルの目安

 

1)海外の友達と難なく交流ができる、海外旅行に行って困らない、旅行を楽しめるレベル。

又は、小学校から始まる英語に抵抗がなく苦手意識を克服するレベル。

 

2)海外で難なく暮らしができるレベル

 

3)外国人として海外の国々で仕事をするレベル。(ネイティブと同じ英語スキルは求められない。)

 

4)海外の大学、大学院を卒業。(自分の専攻、専門分野を英語で学ぶ)

海外で現地人と同等に就職し、仕事をするレベル。

 

これら、今4つあげましたが、おおよその目安です。

ここからは、Sさんからのメールを引用し
返信させていただきます。

私自身、帰国子女ではありませんが、海外での勤務や
>国内での外資系での勤務経験もあるので、多少の英語での
>語り掛けや絵本朗読程度なら娘にできるのですが、幼児に
>教えるという経験は無いため何をすればよいかわからないということと、
>今後もっと体系的に学んで行ってほしいため、教材購入を検討しています。
>検討している教材は以下の2点です。

 

英語はどのレベルを目指したいのか、Sさんのお仕事でのご経験も元に、
イメージしやすいかと思います。

仕事で「ツールとしての英語」を使いコミュニケーションしたご経験があれば、

お子さんに対して英語を学ばせる意味や目的がより見えやすく、

英語への取り組みのモチベーションに必ず繋がっていくと思います。

 

>幼児に
>教えるという経験は無いため何をすればよいかわからない

Sさんは十分に英語の基礎があるので、

お子さんにどう教えたらいいのだろう?という疑問をお持ちのようですね。

 

先生が生徒に教える、

親が子供に教えるといった、

教育的な概念を一度横に置いておき、

 

子供と一緒に楽しい遊びをやってみる、

歌を一緒に英語の歌を歌う、

手遊びをやって見せて、真似っこさせてみる。

 

子供と一緒に、新しいボキャブラリーやフレーズに触れ、学ぶ。

教えるのではなく、共に遊び楽しみ学ぶ、という風に

視点を変えてみると良いかもしれません。

 

教えるなら間違ってはいけない!正しく教えなければ!

教えた経験がないし、、、と

肩肘を張る必要は全くないのです。

 

そういう楽な姿勢で、日々5分程度でできることを

いくつか組み合わせていく。

細く長く続けていくことで、後に大きな力となっていくはずです。

 

1. Palkidsプリスクーラー

【Palkids プリスクーラーについて】

良い口コミを数多く見かけますね。

1日90分、英語をかけっぱなしにするだけでバイリンガルのように育った、

帰国子女と間違われるほど、というポジティブなことが書かれているのを

目にします。

ご存知の通り、パルキッズはとにかく教材を掛け流して、

連動したオンラインレッスンで定着させるという内容です。

 

他の教材と比較してもパルキッズは学べる語彙数が断然多いとされています。

 

その4000程度の語彙数をどうやって効率よくインプットするのか?

それをカバーするのに、高速フラッシュカードが活用されているのだと、

私は解釈しています。

 

【掛け流しについて】

ユーザーの声をよくよく見てみると、

かけっぱなしで食いつきが良い子と、

全くそうでない子が明確に分かれているようです。

 

掛け流しは、

「理解のできない音が背景でなり続くこと」に抵抗がない子供がいる一方で、

 

流れている音に聞き入ってしまい、音に聞き入ったが理解ができないと

その結果、心地よくない、不快と感じる子どももいるのです。

そういうタイプの子どもは、毎日の掛け流し=苦痛となり

結局途中で挫折してしまうようですね。

 

私の姉は音楽講師を仕事をしていますが、絶対音感があるタイプです。

 

音が鳴れば、音楽でも雑音でも会話でも、

やっていることを全部一旦止めて全集中力で聞き入ってしまうタイプです。

 

こういうタイプの子どもは、掛け流しをすると非常に疲れるようなのです。

 

集中して聞き耳をたてるけれど、理解できない。結果、掛け流しの90分が疲れ苦痛になる。

 

音声の掛け流しが苦痛な理由の一つに、

かけ流す音量も関係していると言われており、

不快でない程度の音量にして解決したというケースもあります。

 

個人の性格、タイプによって、

掛け流しが辛いと感じる場合、

掛け流しが効果的な場合など様々です。

 

Sさんのお子さんが、

音楽でなく、英語の音声を流しどんな反応をするか、

英語の音声を流しながら遊ぶことができるか、

そのあたりもご購入を決める前にご覧になれると良いですね。

 

【幼児期の英語音声、掛け流しの効果】

幼児期は「英語の音に慣れる」という意味では、

音声掛け流しをする効果があると思われます。

 

しかし、その音が「何を意味するのか?」を見出せなければ、

全く意味のない音をBGMのように聞き続けるということになります。

 

ではどうするのが良いのか?

 

音声だけではなく、例えば絵本やアニメーションになっただけで、

聞こえてくる音声に対する理解度が上がりますよね。

 

ビジュアルが入るだけで、

子供が場面や状況を理解するための手助けになります。

 

英語の音と意味がセットになって、

ようやく効果のある聞き流し、掛け流しになります。

 

では、音声だけでなく映像になったら

子供は英語の音声を完璧に理解できるのか?といえば

そうではありません。

 

たとえ英語の映像を子どもに見せる時も、

かけ流すだけでなく、

理解を深めるため、共感を促すために、

親がやはりフォローをいれるべきと私は思います。

 

パルキッズの教材においては、映像、音声、フラッシュカード、

ワークシートなど、多方面で連動することで

英語を習得&定着させるという手法をとっています。

 

その点では良い教材と感じます。

 

ただし、

○ 映像や歌のクオリティ
○ フラッシュカードを活用したインプット

この点で、お母さんの中に引っかかるものがあるので、

そこはクリアにしてから購入を決断されたら良いと思います。

 

【高速フラッシュカードについて】

高速フラッシュカードの多用は、

子供の発達においてあまり良くないという話を耳にします。

 

高速のフラッシュカードは子供に弊害がある、と

はっきりと言い切っている脳科学者の方もいらっしゃいます。

 

フラッシュカードの能力が高い幼児ほど、

反応抑制&自己制御力が低く、

衝動性、多動性の程度が高くなるという結果。

また、心の理論を持たない傾向が出るというのです。

(↑明石家さんまさん司会の「ホンマでっか」という番組に出演している

脳科学者 澤口先生のブログからの引用です。)

 

いくら右脳を刺激し、脳を活性化できると言われても、

弊害や悪影響を考慮すると、正直私個人は

子供には高速のフラッシュカードは使いたくないというのが正直なところです。

 

教材を見て、Sさんが感じた良い印象も悪い印象も

教材を続けていくためにとても大切です。

 

その本能的な勘は、ぜひ教材選びに活用してください。

 

2. CTP絵本のセット購入(レベル1 48冊セットや96冊セットなど)

試しに4冊1セットのみ購入したことがあり、音楽に乗って

繰り返しを促すのでテキストに載っているフレーズは覚えられそうな気は

したのですが、果たして会話に結びつけるにはどうすればよいのだろうかと

疑問に思っています。

 

 

素晴らしい取り組みですね。

CTPは英語に関心の高い親御さんの間で定評がありますよね。

 

音楽にのって繰り返すというのはとても良い手法です。

インプット&アウトプットを同時に行える良い教材です。

 

質問:これを実践の会話に結びつけるにはどうすれば良いのか?

答え:

◯ フレーズを覚える。ママと一緒に声を出す。インプットをドンドンこなす。

◯ 準備期間/沈黙期のインプットが充分となり、環境が整った時に自然と英語での発語がある。

今、Sさんは日本にお住まいで、基本は日本語の環境にいらっしゃって、

日常的に英語で対話する機会は中々ないでしょう。

 

とは言え、「適切な方法」で英会話のフレーズのインプットを継続し、

お子さんの記憶に刻まれたフレーズやボキャブラリーは、

近い将来、それらを使う環境に入れば、必ず口から自然と出てくるはずです。

 

「適切な方法」とは何か?

悪い例です。

 

私の高校時代、大学受験のため

3〜4000の英単語を覚えなければなりませんでした。

血眼になり、

とにかくお経のように唱えたり、語呂合わせを作ったり、

何回も綴りを書きまくりました。

 

このような暗記方法は最悪で、

その単語が使われる実践の場面が訪れても、

私の記憶からその単語が使える英語として出てくることはありません。

 

一方、CTP絵本のような教材であれば、

絵本の中にストーリーがあり、会話があり、

その自然な流れでフレーズが出てきます。

 

その中で記憶に残るということが大事です。

実際 人間相手の会話はテキスト通りには行きませんから、

失敗や経験を積みながらあとは

実践で会話力をつけていくのみです。

 

お子さんが幼いうちからは、高いビルを建てようと思う必要はありません。

まずは、基本のフレーズなどで基礎を固めます。

基礎ができていなければ、そこに高いビルを建てることはできないのと一緒です。

 

ちなみに、現在我が家にまとまった教材として既に購入しているのは

ORTトランクパックAです。

絵本好きな娘に時々読んだり、CDをかけ流したりしているので、

その絵本に出てくる内容や単語は理解していますが、出てくる文型で

会話や発話ができるまでには至っていません。

 

 

絵本に出てくる内容や単語を理解している、とのこと。

娘さんお母さんともに頑張っていらっしゃいますね。

英語圏の子供でも、3歳の年齢であれば

親や先生の言う指示を理解し、

簡単な意思表示をするレベルです。

 

単語をつなげ、

文法があっていなくても何とかセンテンスにしようとし始める時期。

 

日本語を母国語とし、英語を外国語として学ぶ環境からも、

会話レベルのアウトプットは、

気長にゆっくりと進めていいと思います。

【英語の発語を促すコツ】

発語を促すために気軽にできることを紹介します。

例えば、アニメや他の絵本を読んでいた時に、

同じ単語やフレーズが出てきたら、

「あの本のあの場面でも出てきたよね、覚えてる?」という風に、

掘り起こす作業を日常的にお母さんがしてあげることができます。

 

フラッシュカードのイラストで見たelephantは、

平面のマンガチックなものだった。

 

でも、実際に動く象を動物園で見た時に、

改めて、elephantがどういうものか、

圧倒的な体長、鼻の動き、肌のザラザラ感、匂い、すべてが脳にインプットされ

記憶に定着するでしょう。

あの動物って英語で何て言うんだっけ?と、

日本語での問いかけてあげてもいいでしょう。

 

こんな風に、英語教材や絵本でやったことを、

日常生活の中で広げ直してみる、

ママがちょこちょこっとしたつぶやきを入れてみる、

そんな方法で英語を定着させられると思います。

 

何度も書きましたが、

幼児期に大切なのは、とにかくインプットの機会を増やすということです。

 

長時間は良くありませんが、

様々な英語のアニメーションを見ることもお勧めです。

 

英語のアニメは、子供に共感を促したり問いかけるように作られているものが

意外と多いです。

 

お気に入りのアニメが一つ、二つできると、

かなり良質で、実践に結びつくインプット教材になります。

できるだけバラエティに富んだインプット教材を

整えてあげるとよいでしょう。

高額な費用をかけないことを考えると、

テレビ放映している番組や、

オンラインで見られる動画などがオススメです。

 

このインプットの素材、教材を、

Sさんのお子さんが気にいるかどうかが、

英語の時間を楽しいと思えるか、

もっとやりたいと思えるか、

結果、長期間 継続できるかに関わってきます。

 

【絵本を活用した発語を促すコツ】

絵本を所々でも一緒に声を出してリピートできるか

絵本を読みながら、

セリフを感情を込めて言う、というのも親子で楽しめます。

 

そういう形で、アウトプットを促すことができます。

 

また、絵本の中でストーリーの途中において、

問いかけや共感を促す読み方をすると、

アウトプットにうまく繋げることができます

 

例えば、本にりんごが出てきて、

apple!とお子さんが指差して言ったならば、

Yes! It is! It is an apple. It is a red apple. It looks yummy.

などと、文章にしてお母さんが返してあげることもできます。

 

また、絵本の絵を指差してwhat is this? などのシンプルな質問も

アウトプットを促すのに効果的です。

まずは英語ボキャブラリーや英語のフレーズに耳を慣らし

まねっこしてみる。

 

その小さな積み重が、最初のステップで大切です。

リスニング、その後スピーキング、そして読み、書きと続きます

英語を話せるようになるまでの目安としては、

2000時間と言われていますので、自発的な英語での発語は

焦らずじっくり、ドンと構えていて良いと思います。

 

長々と書きましたが、

 

Sさんのご質問や疑問に答えることができていたら幸いです。

また引き続き何かございましたら

メール頂ければと思います。

 

それでは、お体にお気を付けてお過ごしください。

kaori@グローバルキッズ養成塾


 

Sさんには、このようなお返事をさせて頂きました。

 

Sさんは既に英語絵本を活用して英語育児に取り組んでいらっしゃる段階で

メールを頂きました。

 

このメールを頂いた後に、

グローバルキッズ養成塾の英語クラブと春夏秋冬プロジェクトにご参加下さり、

ご自宅でも他の取り組みもされているようでしたので、

現状はもっと娘さんに英語が定着していることと思います。

Sさんはとても意識が高く、娘さんの絵本好きな特徴を活かして一生懸命努力をされていて

メールのやり取りをしながら いつも感心していました。

 

 

多くのお母さんたちは どの教材を選んでいいのか?、

そしてその教材を使って家庭でどう取り組んでいいのか、

それでどうやって英語の力をつけていけるのかというところまで

非常に幅広い悩みをかかえていらっしゃいます。

 

そんなみなさんのお役に少しでも立てればと思い、

今回のSさんの疑問と返信を紹介しました。

 

それではまた次回まで!

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