みなさん こんにちは。こどものための英語環境アドバイザー kaoriです。
今日は、When Henry Caught Imaginitisという絵本を紹介します。
作者はNick Bland
主人公はヘンリーという生真面目な男の子。
Henry was a very serious boy. His room was always neat, and he always buttoned his shirt right to the top.
こんなふうに絵本が始まります。
曲がった事が嫌いで、几帳面にお部屋を片付け、親の言いつけを守って生きて来たヘンリー。
ある時、いろんな想像上のものたちが見えてしまうという、 読み手の想像力をくすぐる楽しいお話です。
なんだか彼の気持ちがわかってしまう私。
私が幼かった頃、完璧主義でこだわりが非常に強かった私はこの絵本を読んで自分のことのように感情移入してしまいました。
登場人物 ヘンリーの表情が非常に繊細に表現されており、イラストでもストーリーでも読者の私たちを惹きつけてくれます。
ページの一番最後のヘンリーの表情を見てみて下さい。
ヘンリーは何を体験し、どんな変化を遂げたんだろう?
最初に見せていたヘンリーの表情と見比べてみると、まるで別人のように変わっている、この楽しそうでエネルギーに満ち溢れている表情。
この薄い一冊の中にどんな物語が詰まっているのか、あなたも興味が湧いてきませんか?
完璧主義のお子さんを育てている親御さん、
枠から外れることに躊躇するキッズを育てているママ、
冒険することや未体験のことに挑戦するのを怖がる子供にどう接していいか悩む親御さんはぜひ子供と一緒に読んでみて欲しいと思います。
When Henry Caught Imaginitis ストーリーを深掘りする(ネタバレあり)
この絵本に出てくるThe Big Book of Sensible Thingsという本。
ヘンリーがおかしな想像をすると、正気に戻るために必ず手に取る本。
日本語に直訳すると、分別のある本。賢明な本。
大人びていて常識的なヘンリーはこの本にいつも助けを求めています。
この中には
「こうしなさい!」
「これはやっちゃだめ!」
そんな賢明な指示、答えがたくさん書かれています。
いくつもある中に、
「頭より大きなものは食べてはいけない。」
「宇宙飛行士ではない限り、ロケットに乗ってはいけない。」
その「やってはいけない」と書かれたことをヘンリーはやってしまうのです。
この「賢明な本」を見てみると、
おかしな考えで頭がいっぱいになった場合、それは「imaginitis」という病気だと書かれていました。
ここで注目したいのが絵本のタイトル。
When Henry caught Imahinitis
caught はcatchの過去形ですね。
ご存知の通り、風邪をひく
catch a cold と言いますが、
このcaughtもImaginitis という病気にかかるという表現として使われています。
その病気は、何か治療法があるわけではなく、成長し大人になるまでそれと一緒に暮らせばいいのだという指示が。
海賊、ドラゴン、蝶々、オウム、ヘンリーはその想像力とともに、自由に子供時代を生きると心に決めるのです。
それからの彼の表情はどうなったでしょう?
In Nick’s words, ‘a well developed imagination is not a liability but an asset.’
作者、ニックの言葉を借りれば、よく発達した想像力というのはマイナスではなく資産である、と言っています。
絵本の中にも出てくるこの表現、Daydream = 空想に浸ることは、子供たちはどんどん積極的にやって、どんどんImaginitisにかかっても大丈夫。
真面目に、賢く、曲がったものを真っ直ぐに直しながら生きる必要はない。
私の幼少期に読みたかった絵本です。
曲がったものをキチッと直しながら、いい子と言われるよう、几帳面に、指示通りに生きることを手放す。
勇気を持って想像の楽しさを味わう。
そんな自分を許すー。
自由や空想、想像力を伸ばして伸び伸び子供らしく生きる。
私自身が、息子の借りてきた本を読んで、子供時代の自分を癒すことができた一冊となりました。
対象年齢は4歳以上。中学英語レベルで読めるので嬉しいです。
オーストラリアの人気絵本作家 Nick Bland の人気作品の一つです
私はこの絵本のおかげで すっかり彼のファンになってしまいました。
読み聞かせ動画
聞きやすい動画、読み手を見つけてみましょう!
複数の読み聞かせ動画を紹介します。
まとめ
今日紹介した一冊は、子供の想像力を伸ばすことの意味、価値、素晴らしさに気づかせてくれる一冊でした。
オーストラリアには魅力的な絵本作家がたくさんいらっしゃいます。
子供が図書館から借りてきてくれる本のおかげで、私も新しい発見や学びが多くこの環境に感謝するとともに絵本の偉大さに気付かされています。
これからも引き続き、楽しい絵本の紹介をしていきたいと思います。
それではまた次回まで!
コメント